丸い夢

この世の全てが、得体の知れない闇が、最低な美しさで満ち溢れていますように

2021年5月10日

朝起きると太陽が私を優しく迎え入れてくれる。

全身に朝をいっぱい浴びてゆっくり伸びをする。炭酸飲料のしゅわしゅわとよく似た、爽やかな朝だった。

今日は久しぶりに早起きができた。

晴れやかな気持ちでカーテンを引っ張る。

すると突然私の朝を切り裂くみたいにカーテンがそれを支える棒ごと落ち、寝ぼけてうまく反応出来ないまま見つめて、少し考えて自分の部屋を出た。

私が幸せな朝を迎えるのを拒絶されてしまったようで、なんだか虚しくなって、適当に着替えたりご飯を食べたりしてる間に8時前になっていた。

学校指定の鞄を足の部品が欠けている自分の机の上に置いたと同時に、胃の中が熱くなるのを感じた。脈動が這い寄る。

心臓が必死に動く鈍い音に共鳴して、脳も脈を打つようにし、頭痛に気づく。

熱い。

1限目が終わってすぐ保健室に行けば早退だって出来たんだろうが、必死に耐えている内に体の中にいた熱さがいなくなってしまった。しくじったと思った。

雨が降りる

なにをどうしたらいいのかわからなくて、わかるはずはなくて、必死に引っ掻くけどなにもかわらなくて、単純で複雑な1週間を単調に往復するだけなのが怖い。目が覚めるのが怖い。まだ生きていようと思う私が怖い。夜から二度と動けなくていいから、私だけが取り残されても、もう二度と朝が来ることのないように願っていたい。死にたいを糧に生きるしかない。それが一番怖い。明日、ホームセンターに行って縄を買って、この首を絞めようと決心することができたら、どれだけ変われただろう。

日記

日に日に自堕落を実感していくのが怖い。

天井から垂直に私へ垂れてくる希死念慮が青色と綺麗なピンクだったから、それまで信じてしまえばいっそ違えたかもしれない。

体調の面で不安なことが多い。丈夫な器に乗ってこれたらよかったものの。

物音にすぐに反応してしまうのは私の悪い癖だから、かたかたと鳴る机も無視出来たら良かったんだろう。私が鬱陶しいだけだって、だってみんな、気にもとめぬ様子で黒板に向かう。

何がしたいのかを掴めない。指と指の隙間から器用に滑り落ちていくみたい。地図も方位磁針もない登山だって、言われなくてもそんなの、じきに気づいてしまっただろうけど。

なにもできない。これが1つ確かな答えであった。

いまはひとときだけでもひとの道をはずれてわたしの脳みそを乱暴に殴りつけるんだ。それで跡を残してやれればよかった。

一箇所

眠気の中に少しの不快感を覚え、瞼を下ろす。混ぜ込んだのは黒い、皿の上には猫、椀の内に塗られたベルベット、思い出す。意味を見出すことが負けだった。毎日繰り返して過去に浸っている。赤黒い海になった過去に溺れている。膿をまたひとつ増やしている。つついて痛めている。思い出していない。襲いかかってくる。無意識をものともしない様子で迫ってくる。その手から逃れることは諦めた。けれど感覚を遮断することならできた。気にしない振りをした。何一つ変わっていないのに気が楽になっている。それも見当違いだったと思う。何も変わらない。変わる気もない。どうしようもない。解決策はない。私が私でいる限り無理なこと。もっと生きやすい器に落ちたらよかった。転け方を間違えた。

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いや、でも、そうだな言う通りかもしれないな、認めてないだけだ。それだけ、ただ、それだけのことだ　いや、でも、それもそうだ抗っているのは、まだ壊されていないだけだ。それほど、もう、それほどのことだ

二番煎じの不協和音でもそれは私の心に確かに響いているから目を逸らさないで、どれほどあなたが苦しもうと少なくとも私を救うことは出来たのだから、あなたはもう残念な人間じゃない。あなたが私に刺してくれた刃物のお陰で耐え難い思いは血になって流れ落ちた。新しい血液の循環。飄々、清々しくはないけれど。

遊

神様がいるのなら、私を殺さないでください。電気の流れた体には甘みがなく、そのわりには糖分という信号がはたらいていて、鈍いどろどろした液体に嫌になりそうです。青くなる音はいつも警告でした。落ちるのもわかります。不足した娯楽がいくら笑っても私に空虚感を与え、いつだって死んでいるよう。不満足だからそこまで頑張れるのですね。